2016/06/26

Rodrigo Y Gabriela / Rodrigo Y Gabriela (2006)


Produced by John Leckie, Rodrigo Y Gabriela
Mixed by John Leckie
Mastered by Robyn Robins

Official Web Site / YouTube Channel
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発売当初はワールドミュージックのコーナーに置かれていましたが
元々メタルバンドをやっていたとか超絶テク満載の熱い演奏内容とか
Led Zeppelinの "天国への階段" をカバーしているとか
プロデューサーがUKロック界の大御所・John Leckieだとうこともあって
ロックコーナーにも並べられていたように思います。。

メキシコ出身の男女2人組によるユニットで
一応はスパニッシュとかフラメンコとかになるのかな・・・よくわからないですが
とにかくメタルバンドも真っ青な早弾きを聴かせるリードパートと
弦をはじいたりボディーを叩いたりとあらゆるテクニックを駆使するリズムパートが
絶妙に絡み合う音は2人だけで演奏しているとは思えないほど。

そんな演奏が満載のスタジオアルバムですが付属のライブDVDが必見。
むしろCDよりもDVDがメインと言っても良いですね。
演奏しているうちに2人の演奏の熱が帯びていき
最後は聴衆をも巻き込んで会場中が熱狂していく様はスゴいの一言。

自然と足がリズムを取ってしまう一枚。。




2016/06/18

標高8000メートルを生き抜く 登山の哲学


竹内洋岳 著
Amazon.co.jpで詳細を見る → 新書 / Kindle版


いきなり雪崩に遭遇したときの話から始まります。
登山家であって小説家ではないので文章表現としては極普通なのに
経験した人だからこその描写がなんとも生々しくて痛々しいです。
恐怖すら感じてしまいます。。

世界に14座ある8000m級の山の全てを日本人で初めて登頂した著者の
壮絶とも言える経験談を元に書かれた本です。
個人的に山登りの経験があるし今でも好きなので
こういった話はグイグイと引き込まれてしまい2日ほどで読み終えてしまいました。

近頃は遭難や滑落のニュースが頻繁に見聞きするようになりましたが
決してナメてかかったわけでは無いにしろ何が起こるかわからないし
それが生死に直結してしまうのが登山なんだなと思います。
海外の8000m級を登ってちゃんと帰ってくる人もいれば
日本の2000m級で命を落とす人もいるわけで
高所登山であっても近所の低山であっても関係なく
事前の心構えや準備が大切だなと改めて気付かされます。

登山の怖さと素晴らしさを感じる一冊。。


2016/06/12

Nick Lowe / The Convincer (2001)


Produced by Nick Lowe, Neil Brockbank

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パワーポップ経由で辿り着いたり。
パブロック経由で辿り着いたり。
パンク経由で辿り着ついたり。

個人的にはElvis Costelloが歌う
"(What's So Funny 'Bout) Peace, Love, and Understanding" を聴いてドキドキし
そこからBrinsley Schwarzのオリジナルを聴いてドキドキし
ソロ作の "Cruel to Be Kind" や "So It Goes" を聴いてドキドキし
RockpileやらLittle Villageやらに手を出してはドキドキしてきたわけです。

そして一通りドキドキしたら
その調子で近年のNick Loweのソロアルバムも当然気になって聴いてみるんですが
そこで「あれ?」と思うわけですね。

「渋すぎないか?」

音楽を好きになったばかりでパワーポップに熱をあげてるような子供にとって
2000年代のNick Loweの作品は「渋過ぎる」の一言でした。
知り合いの年上の音楽好きの人はみんな「ええわー」ってよく言ってたので
いつか自分も「ええわー」って思う日が来るんだろうと思って
しばらくNick Loweのソロ作には手を出さずにいました。。

それから随分と年を重ね
最近になって中古でこの2001年作のアルバムをたまたま見つけ
そろそろどうだろうと思い手に取ってみたわけです。
まだダメかもしれないなと思いながら恐る恐るCDを再生してみると

「なんか良くない?」

というのが最初の正直な感想でした。
どうやら少しは大人になったようです。
心に沁みる音とか熟練の技とか芳醇な声とか
そんなありきたりな言葉しか思い浮かばないんだけど
多分そういう言葉を使うべき音楽ってこういう事なんだろうって思います。
これを機に少しずつ近年のNick Loweを追いかけていこうかな。

古い映画のサントラのような一枚。。



2016/06/05

新しい道徳


北野武 著
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副題は「いいことをすると気持ちがいいのはなぜか」。

"道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。
道徳の与えたる損害は完全なる良心の麻痺である。"

芥川龍之介「侏儒の言葉」からの抜粋がこの本の冒頭に書かれています。
そして北野武本人も

"道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない。"

と最初っからぶっちゃけてしまってます。
いきなり結論ありきから始まるので
後は読む必要が無いんじゃないかと思ってしまいますが
近年の日本の道徳教育について色々と細かに指摘しています。

個人的には「動物を殺して食べることについて」は
以前から少し興味を持っていたテーマではありました。
あるテレビ番組で学生に鶏の世話をさせ最終的に自分たちで殺して食べるという
ドキュメンタリーが放送されていたのを観たということもあるし
また漫画「銀の匙」を読んでいるというのもあります。

仕方ないと割り切る学生
大泣きしながら鶏を殺す学生
そもそもそんなことは出来ない学生
その後調理された鶏肉に手を付けない学生
たんたんと食べる学生

色々な学生がいましたが
最終的には食べ物のありがたみを感じた学生が多かったように感じました。
確かに一歩間違えればトラウマ級の出来事だとは思うけれど
「食べ物を粗末にしない」とあれだけ道徳を持ち出して言うのならば
その食べ物がどうやって供給されているのかを教えるべき。
都合の悪い所は隠して表面だけを見せても説得力が無いように思います。

でも多分それも大人の立場からの考えであって
学生からすれば「そんなえげつない場面は見せてくれるなよ」とか
「肉が食べれなくなっちゃったじゃないか」と文句が出てもおかしくない。
自分が学生の頃にそういった体験をすればどうなったのかとよく考えます。
平気で肉を食べてるのか。
ベジタリアンになってるのか。
未だに答えの出ない難しい問題です。


北野武の本は以前から何冊か読んでいるので全体を通しては
「あの人ならそう言うだろうな」といった感じがして
昔から一貫して物事の考え方が変わっていないなと思いました。
説教臭くなりがちなこの手の本も
語る人が信用に足る人ならばすんなりと聞くことが出来る。
結局はそう言うことなんだろうと思います。

道徳という言葉が胡散臭く感じてしまいそうな一冊。。